仏教の心の教え「八正道」は2600年前に説かれた最強のアンガーマネジメント!
仏陀が教える「自分を変える8つの視点」
ここでは、正見(しょうけん・見方)、正思(しょうし・思い)、正語(しょうご・言葉)、正業(しょうごう・行為)、正命(しょうみょう・生活)、正精進(しょうしょうじん・努力)、正念(しょうねん・目標)、正定(しょうじょう・精神統一)のうち、正見、正思、正語の3つを紹介します。
(※本記事は小冊子「what’s 幸福の科学」7月号(No.108)より転載・編集)
感情に振り回されない自分になりたいと思って頑張っても、ぜんぜん上手くいかない―。そんな経験はありませんか?
そうなる原因は、自分の感情や行動のベースにある「心の深い部分」が変わらないままだから。
それを変える方法が、仏教に伝わる「八正道」です。これは、現在ブームになっている「マインドフルネス」のルーツ。
2600年前に仏陀が説いた心の探究(たんきゅう)法で、8つの視点で自分を捉え、不幸を招くクセや悪しき心の傾向性を根本的に修正していきます。
本記事ではその中から取り組みやすい3項目をピックアップ。まずはその実践にチャレンジしてみてください。
最先端の心理学も仏教に注目
精神科医 医学博士 千田要一
1972年生まれ。精神科医・心療内科医。九州大学大学院卒業。HSU(ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ)人間幸福学部プロフェッサー。 最先端の心理学「ポジティブ心理学」の研究に従事している。
心理学においても仏教は注目され、今も研究が進んでいます。現在ブームの「マインドフルネス」もその一つです。
現代人は「知性中心」に生きており、心のバランスが崩れがちです。そのバランスを取り戻したいという無意識の欲求が、昨今のブームの裏にあるのでしょう。
マインドフルネスは、”今”という瞬間に集中して自分の心を観察し、集中とリラックスをもたらすのに有効な心理療法ですが、仏教から宗教性を取り去る過程で、本来仏教が備えていた深い心の洞察が失われてしまった面もあります。
もともとの仏教の「八正道」は、マインドフルネスから一歩進んで「問題そのものと向き合い、整理する」プロセスが入っているので、より根本的な悩みの解決が期待できると言えます。
自分の見方、ホントに正しい?
こんな「レッテル」貼ってませんか?
□ あの人は“ゆとり世代”だから、むずかしい
□ 血液型がB型の人は、マイペースだ
□ 私より年下の人間は、世間を知らないものだ
□ 母子家庭だと、子供の性格が歪む
レッテルを外して見ないと、「人の本当の姿が見えない」「自分の間違いに気づけない」といったことも。
【実践者の声】
「見方」を変えて職場の葛藤を克服
Kさん(茨城県・40代・販売業)
「Kさん、仕事の見落とし多すぎ!何回言ったら分かんの、いい加減にして」― 転職した私は、10歳下の女性の”先輩”から注意される日々。ついカッと逆ギレしてしまっていました。
これではいけない―。私は「注意されたことや腹立ったこと」をノートに書き出し、自己客観視を試みました。
すると、彼女に「無神経な物言いをする人」とレッテルを貼っていましたが、「彼女なりに年上の私に教えようと頑張っていた」ことに気づき、怒りが静まっていきました。
また、自分が凡ミスを重ねてしまうのは、そもそも仕事に対する姿勢に問題があったのだと発見。転職してきた私はどこか”腰かけ”的な考え方を持っていて、「仕事への責任の自覚」が弱かったのです。
「正見」の立場で自己客観視を始めて以降、仕事のミスは減り、”先輩”との関係も改善。ほどなく店の副店長に昇格しました。店の発展のために、今後も自己変革していきます。
やってみよう!
【 1 】 自分の「他人への見方」「仕事に対する考え方」をノートに書き出し、第三者の目で見つめてみよう。
【 2 】 ノートを見返して、「自分と違う立場の人なら、どんな見方をするか」を考えてみよう。
「病は気から」は真実。
こんな気持ちを溜め込んでいませんか?
□ 「あれも欲しい、これも欲しい」という強い「物欲」
□ 自分が苦しいのはあの人のせいだ! という「恨(うら)み心」
□ 嫌(いや)なことがあるとすぐにカッとなる「怒りの心」
□ 気がつくと湧いている「愚痴(ぐち)や不平不満の思い」
自分を責める思いや他人を責める思いなどの負の想念が心に溜まると、ガンなどの病巣を創り出してしまいます。
【実践者の声】
不満が消えたら病気も消えた!
A子さん(岐阜県・40代・主婦)
(ダンナは休日ずっと寝てるし、家事育児には感謝してくれないし、いっそ”保険金”になってしまえ!)―些細なすれ違いから、いつの間にか主人が嫌いになっていた私。
子供がいる手前、不満は隠して普通の夫婦を演じていました。
そのストレスが祟(たた)ってか、今年の1月、腹部の激痛に見舞われ、子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)が発覚。
また、握りこぶしサイズに肥大化した卵巣に腫瘍(しゅよう)が見つかり、卵巣ガンの可能性があると医師に告げられました。
そのことを主人に言うと、思いがけずとても心配してくれました。
振り返ってみると、時に気遣いの言葉をかけてくれるなど、主人は折々に私を大切にしてくれていたと気づき、感謝の気持ちが湧いてきたのです。そして、主人ともう一度やり直そうと決意しました。
それから1週間後。病院で再検査に臨むと、なんと内膜症も腫瘍も消えていたのです。
私は「病は気から」は真実だと実感しました。
やってみよう
【 1 】 心の中に人への批判やグチが湧いて来たら、その心の声を冷静に「観察」してみよう。
【 2 】 行き過ぎた欲がないか、「足ることを知る」という目で、自分の心の中をチェックしてみよう。
言葉一つで天国も地獄もできる。
思い当たる言葉はありませんか?
□ 自己保身から、ウソをつくことがある
□ ふと気がつけば、他人の悪口ばかり言っている
□ 嫌われたくなくて、気づけば二枚舌を使っている
□ つい、過ぎたお世辞(せじ)を言ってしまう
言葉には本音が見え隠れするもの。悪口を言う背後には、認めてほしい気持ちや優越感、劣等感などがあることも。
【実践者の声】
ギスギス家庭が言葉一つで円満に
Rさん(東京都・40代・助産師)
「なんでママの言う通りにできないの? ママの言うこと聞けない子は大嫌いだからね!」── 私は、よくこんな言葉を幼い娘にぶつけていました。
娘は「ママ大嫌い!」と言い返してきたり、嫌味を言ってきたりする始末で、私は主人に「あなたが子育てを手伝わないから!」と八つ当たり……。
こんなことを10年近く続け、家庭内に不穏な空気が漂(ただよ)っていました。
でも、幸福の科学で「言葉が人をつくる」と学び、「私の言葉が悪影響を与えているのかもしれない」と反省。
私は、一呼吸おいて言葉を選んだり、夫や娘の長所をほめたりと努力するようにしました。
自分の出す言葉を見つめる中で、「『助産師は子育てのプロ』という自負が、子供を枠に押し込めようとしてキツい言葉になっていた」と気づき、心から反省することができました。
今では娘も「ママ、大好きだよ」と言ってくれるようになり、家族円満に。ギスギスした関係が嘘のようです。
やってみよう!
【 1 】 気持ちが穏やかでないときは、発言する前に一呼吸置いてみよう。
【 2 】 今日一日の自分の言葉を振り返り、言葉の奥にどんな感情があったかを考えてみよう。
おすすめ書籍
「八正道の8つ全部を実践してみたい」という方や、「心のコントロールを仕事で生かしたい」という方向けの本をご紹介。
現代的な「八正道」実践法をレクチャー
『釈迦の本心』
難解な仏教学でも、ライトな読み物でもない、”生きた仏教”を教えてくれる一冊。「八正道」を実際にやってみたい方にオススメです。
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ビジネスを通して人格を磨く秘訣
『人格力』
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