おかん、もっと幸せになってな!【体験談】
母親が膠原病(こうげんびょう)に罹(かか)ったことを機に、冷え切っていた両親との関係を見直していったSさん。病気平癒(びょうきへいゆ)までの、心の軌跡をたどります。
Y・Sさん(神奈川県・30代・男性)
月刊「幸福の科学」376号より転載・編集
原因不明の病・膠原病に侵され、絶望する母。しかし、息子の愛が奇跡を呼んだ—。
母からの突然の電話
2016年の3月。仕事中に突然、疎遠になっていた郷里の母から電話がかかってきました。母はしくしくと泣いていました。
「あのね、膠原病という病気になって…」
「膠原病?…今、仕事中だから」
母の話が要領を得ず、仕事中で忙しかったこともあり、私はすぐに電話を切ってしまいました。その後、山口の実家の近くに住む姉に電話をすると、看護師である姉は、膠原病は自分の免疫(めんえき)を攻撃する病気で、治る見込みがほとんどないことを説明してくれました。
「これから、長い闘(たたか)いになるだろうね。覚悟しないといけないかもね」
母は医師から「この病気は治ることはない」と言われ、絶望しながら関節の痛みに耐えているとのこと。
(きっと薬じゃ治らないだろうな…)
私は幸福の科学で「病気の原因は心にある」と学んでいたため、病気を根本的に治すには、母がこの教えを学んで心のあり方を変える必要があると思いました。
しかし、母に教えを伝えるのは気が重いことでした。なぜなら母は、私が信仰を持つことに猛反対していたからです。
私は大学時代に大川隆法総裁の書籍を読み、感動して信者になりました。教えを学ぶにつれ、自己中心的だった自分が謙虚になり、怒らなくなりましたし、探し求めていた生き方が見つかり、確かな幸福をつかんだのです。
そこで両親に、幸福の科学の話をすると…。
「そんなもん信じたって意味がない!」
「洗脳されてるんだ!」
父も母も激しく罵(ののし)り、聞く耳を持ってくれません。その後、同じ信仰を持つMとの結婚を決めたときにも反対されました。
(もういいや。どうせ分からんだろ)
私は両親との関係に疲れて、実家と距離を置くようになっていったのです。
「愛」を学んでいるのに…
しかし病気になったと聞いた以上、もう一度伝えてみようかと思い、電話をかけました。
「おかん、病気は治るんよ。心の力で…」
「そんなことないでしょ。あり得ない」
母は、相変わらず話を聞いてくれず、病気のつらさを訴えて泣いていました。
(だったら、話を聞いてくれればいいのに)
そんな母に、妻は見舞いの手紙を書いたり、大川総裁の書籍や幸福の科学の映画のチケットを送ったりしていました。
「お義母(かあ)さんの病気が、治るきっかけになるかもしれないから」
あれほど否定されながらも、母のためを思ってくれる妻の姿を見て、私はなんだか恥ずかしくなりました。
幸福の科学で「愛」の大切さを学んでいるのに、私は自分の親に
対して、「愛」どころか、興味も関心も薄かったのです。
(そういえば俺は、昔から親と関わるのを避けてきたし、実家のことに無関心だった。お互いの仲も冷え切ってたな…)
私にとって、実家の思い出は幸福なものではありませんでした。私が幼いころから、父は、お酒が入ると母に暴言を吐き、灰皿や茶碗を投げつけていました。
母は父に反発して、2人で毎週のように大ゲンカ。さらに、家計は厳しく、両親は「お金がない」が口癖でした。
私は(なんでこんなくさった家にいなきゃいけないんだ)と怒りを感じていたのです。
(でも、Mが頑張ってくれているんだから、俺もあきらめずに伝えていかなきゃ)
私は妻と一緒に、幸福の科学の支部で、母の病気平癒を願って祈願を受けました。支部の法友(※1)の皆さんも、私の母のためにお祈りをしてくださいました。
すると、ある日思いがけないことに、母が幸福の科学の映画「天使に”アイム・ファイン”」を観たと言って電話をくれたのです。
「映画のなかで、女の人が当り散らすシーンがあったけど、私も職場で同じことをしてたよ。私も周りに感謝してなかった…」
今までの母からは、予想できない言葉でした。母が少し心を開いてくれたようで、希望が持てました。
しかし、その後も母の病状は思わしくなく、関節の痛みで歩行困難になる日もあり、薬の副作用で髪が抜け落ちていったのです。
※1:同じ法を学び、学びについて語り合える仲間のこと。
映画「天使に”アイム・ファイン”」より
膠原病を克服した二人の女性
母が膠原病になって半年が経(た)った16年の夏。私は、幸福の科学の布教誌に載っていた「信仰の力で膠原病が治った」という体験を持つお二人の方に連絡を取り、会いに行きました。20代と、50代の女性です。そして、治った経緯を伺いました。
20代の方は、暴力をふるう父を憎んでいたのですが、教えを学んで父への感謝を深めていくと、症状が快方に向かったそうです。
50代の方は、過保護な母に息苦しさを感じていましたが、研修を通して母への葛藤が解けたら、病気が治ったと話してくれました。
お二人の共通点は、病気の原因が「家族との葛藤」にあったことと、葛藤を克服できたら回復していったということでした。
それを聞いて、考えさせられました。
(家族の葛藤が原因なら、俺にも責任がある。俺が親に無関心なことが、家族の歪みになっているのかもしれない—)
私は今まで、”母を変えよう”としていましたが、まずは自分が変わらなければいけないと思い、精舎(※2)の研修で自分の心を見つめるようになりました。
※2:幸福の科学の礼拝施設。さまざまな研修や祈願を開催している。「精舎へ行こう」サイトはこちらから
研修で思い出した「母の愛」
季節が秋に変わったある日のこと。
精舎の「心の指針」研修(※3)に参加して瞑想していたとき、ふいに、子供のころの思い出がよみがえってきたのです。
保育園時代。母が毎朝、私を自転車に乗せて、急な坂道を登って送ってくれていたこと。母に料理をリクエストすると、必ず作ってくれて、それがとても美味しかったこと。
夏の夜、私が「花火をやりたい」と言うと、「お金がないけど」と言いながらも線香花火を買ってきてくれたこと。
私が中高生のころは、母は毎日5時に起きて、お弁当を作ってくれていたこと。
また、私が大学に入って一人暮らしを始めてからは、3カ月に一度、お米と手紙を送ってくれたことも思い出しました。
「元気にしていますか?ちゃんと野菜を食べてね。お金に困ったらいつでも言ってね」。
そう書かれた母の手紙が当時は煩(わずら)しく、感謝するどころか、読み捨てていたのです。
(おかん、ごめんな……)
私は、両親の不和や、家計が苦しいことだけを見て不満を抱き、母が注いでくれた愛情は当然と思って見過ごしていました。
(これからは、恩返ししていこう……)
心を改めた私は、電話やメールで母に頻繁に連絡を取り、体の具合を聞きながら、感謝の思いを伝えるように心がけました。
すると、母は次第に信仰の話にも耳を傾けてくれるようになり、送った書籍も捨てずに読んでくれるようになったのです。
「もらった本を読んだよ。病気のアドバイスが書いてあって、感謝が湧いてきたよ」
そんなふうに感想を言ってくれました。
メールのやり取りで、「私も、与える愛(※4)を実践しなければと思いました」など、教えを学んだ気づきを伝えてくれることも。
数カ月のうちに母は、泣いてばかりいたのが嘘のように明るくなっていきました。そして病気で休職中にも関わらず、「人のためになることがしたい」と、ケアマネージャーの資格を取る勉強を始めたのです。
(おかんはやっぱり「愛の人」なんだ—)
※3:本誌・月刊「幸福の科学」に掲載されている大川総裁の「心の指針」を深く学ぶ研修。
※4:見返りを求めずに心から他の人を思いやる、幸福の科学の「愛」の教えのこと。
膠原病が快方に!
今年の3月の半ば。母が興奮した様子で電話をかけてきました。
「本当に奇跡が起こったんだよ!」
母が検査のために病院に行くと、今まで「絶対に治らない」と言っていた主治医が、血液検査の数値を見てこう言ったそうです。
「治ってますね。もう薬に頼る必要はありません」
母は「奇跡って本当にあるんだねえ」と大喜び。すぐに社会復帰し、仕事を始めました。
うれしいことは、それだけではありません。母の病気を機に、母に厳しかった父も優しくなりました。父も幸福の科学の書籍を読み、「これはとても役に立つよ」と、母に勧めてくれることも。さらに姉も三帰信者(※5)となり、両親を近くで支えてくれています。
私たち家族を導いてくださった主エル・カンターレに、心から感謝しています。力になってくれた法友の皆さんや、支え続けてくれた妻にも感謝でいっぱいです。
私は、主の教えで両親の愛に気づき、母の病気が劇的に良くなるという奇跡もいただきました。今後は両親に恩返ししていくとともに、世界中の方に、この「愛」の教えを伝えていきます。
※5:幸福の科学で、「仏・法・僧(ぶっぽうそう)」の三宝(さんぽう)に帰依(きえ)することを誓った信者。
「信仰パワー」で病気を治そう
『「アイム・ファイン!」になるための7つのヒント』P.92(大川隆法 著/幸福の科学出版)
感謝の言葉を出していると病気も治ってくる
憎しみの念や怒りの念、あるいは人のせいにする念が強いタイプの人は、病気を非常につくりやすいのです。
自分が病気になるか、人を病気にさせるか、どちらかになる傾向が強く、あまり天国的とは言えないのです。
今はそういう攻撃性に満ちあふれた世の中なので、それを中和する意味においても、「ありがとう」という気持ちを持ち、笑顔と感謝の実践をすることが大事です。(中略)
早い話が、感謝の言葉を出していると病気も治ってきます。
たとえば、ある女性が病気だったとしても、自分の子供に「お母さん、ありがとう」と言われたら、治ってくるのです。
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