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11 November

お母さん社長の奮闘記【体験談】

お母さん社長の奮闘記【体験談】
Y・Nさんは6人の子供のお母さん。さまざまなアイデアで大家族の家計をやりくりしてきましたが、子供が成長するにつれ困窮していきます。そんな折、子供の学費問題をきっかけに起業を決意しました。今回は、「普通の主婦」が経営者へと成長したサクセスストーリーをお届けします。
Y・Nさん(愛知県)
月刊「ザ伝道」224号より転載・編集

体験談普通の主婦が「そうじ屋」を起業したお話

何でも自分でこなす“節約主婦“

私は愛知県に生まれました。両親はうどん屋を営んでおり、私も忙しい両親を助けようと、4、5歳のころから店や家の手伝いに励んできました。そのおかげでしょうか、料理、洗濯、そうじなどの家事が私の“特技”になったのです。

中学生のときに叔母を通じて幸福の科学に出合い、「人間は何度も生まれ変わりながら、さまざまな経験を通して魂を磨いている」、「本当の愛とは、もらうものではなく与えるもの」など、初めて知る心の教えに魅了され、会員になりました。

『成功の法』

そして大川隆法総裁の『現代成功哲学』(※現在は成功の法)を読んで、人生の方向性が明確になったのです。その本には、他の人を幸福にしていくことが本当の成功だと書いてありました。

(おっしゃる通りだ。いつか私も、人に喜んでもらえる仕事がしたい― )

心から感動した私は、そんな思いを強く持つようになりました。
短大中退後は事務の仕事に携わり、知人の紹介で知り合った夫と結婚。そして次々と6人の可愛い子供たちに恵まれ、家族みんなで大川総裁の教えを学ぶようになりました。

缶の製造工場に勤めている夫は、子供が増えるたびに仕事に意欲を出し、工場長になるまでに出世しましたが、どうしても経済的な余裕はありません。

でも、私は10代のころから幸福の科学で「苦難と思えることも、見方を変えればチャンスに変わる」と学んでいたので、卑屈にはなりませんでした。

思い出の“ハンバーガー屋さん”ごっこ

長女、次女がまだ小学生だったときのことです。家族で買い物に行き、ファーストフードのハンバーガーショップの前を通りかかりました。辺りには、ハンバーガーやポテトのいいにおいが漂っています。

「ねぇママ、おなかすいたなぁ」

(ハンバーガーが食べたいのかな。でも、買うとお金がもったいないし……そうだ!)

「今日は、ママがおうちでハンバーガー屋さんを開店します!」
「えっ、おうちで?」
私はパンやチーズなどの材料を買って帰り、「ハンバーガー屋さんごっこ」をすることにしたのです。

「お客さん、注文はどうしますか?」
「えっと、チーズバーガーとポテトをお願いします!」

このほうがお店で買うよりも安く、好きなものをたくさん食べられますし、子供たちと料理をする楽しみもあります。“マイナス”な事があっても、アイデアと工夫で“プラス”に変える― 。そうやって上手に家計をやりくりしてきたのです。

しかし、子供たちが成長するにつれて、節約も限界に近づいていました。

(これからもっと教育費がかかるようになるし、何か手を打っておかないと……)
私は、早朝のパートを始めるなどして、少しでも収入を増やす努力を始めました。

ママ、社長になることにした

2013年のことです。小学5年生の三女が、姉2人も通う私立の中高一貫校の受験を志していました。当時、高校1年の長女と中学1年だった次女が、本人たちの希望で同じ私立の学校に通っていたのです。

もちろんわが家は私立に通わせるような余裕はありませんでしたが、その学校が生徒一人ひとりの才能を認めて伸ばしてくれる学校だったので、私も夫も、子供たちの願いを聞き入れていたのです。

(3人分の学費か……。さすがに厳しいな……)
だからといって、子供に進学の希望を諦めさせるという選択肢は私のなかにはありませんでした。しかし、当時、末の子はまだ2歳。
保育園に預けながら私が朝から晩まで働いたとしてもお金が間に合わないことは分かりきっています。私は棚から通帳を引っ張り出し、預金の欄に印刷された数字を眺めながら考えました。

(なぜ私にはお金がないのだろう。結婚以来、節約生活をしてきたけど、これからもずっとこのまま?)

無駄を無くすための節約は良いことです。しかし、よくよく考えれば、私は、お金を使うまいと思うあまり、心まで縮こまっている感覚もありました。本当はもっともっと人と関わって、相手の役に立ちたいのに、交際費を削っていたからです。

『T h i n k B i g ! 』

そのとき、『T h i n k B i g ! 』 ( 大川隆法著) の言葉が心によぎりました。

「言い訳はやめよう。できる方法がないかどうか、もう少し積極的に考えてみよう」と思うことが大事です。(略)自分の態度を変えてみることです。

(そうだ……。貧乏に甘んじてきたのは自分なんだ)
私はこのとき初めて真剣に、「豊かになる」ことを決意しました。そして、「パート代と節約で足りないなら、自分で会社を作ればいい」と思ったのです。

それからしばらく経ったある日のこと。台所のシンクの水はけが悪かったので、水道工事の業者を呼んで修理をしてもらったことがありました。ところが、何万円という代金を払ったのに、全然詰まりが改善していなかったのです。結局、私は、ホームセンターで詰まり抜きのワイヤーを買い、試行錯誤しながら自分で直しました。

(プロと素人のちがいって何? やろうと思えば、私だって詰まりの修理もできるじゃない。家のメンテナンスやそうじだったら仕事になるかも)

思えば、私は小さいころから家のそうじ・ 片付けを任されていて、今でもママ友から「Nちゃんのお家はいつもキレイ」と褒めてもらうことが多いことに気が付きました。

(私の特技が生かせるわ。これだ!)

その晩、家族で夕食をとっていたときのこと― 。
「ねえねえ、みんな。ママ、社長になることにした」
「……!?」
私の突然の宣言に、テーブルを囲んでいた家族は、最初、驚いた様子を見せましたが、「何の仕事?」「じゃあ、私は社長令嬢?」と、興味津々。そんな家族の反応を楽しみながら、私の決意はさらに固まっていったのです。

成功している「未来の自分」を信じて

経営難、障害、すべての苦難が光に変わった!【体験談】

そして2014年4月、末の子が保育園に入園したのと同時に本格的に起業に向けて動き出しました。まずは、会社ではなく、個人事業から始めることにしました。屋号は、「スキット」です。「家も住む人の心もスッキリ爽やかにできますように」という思いをこめました。手始めにオリジナルの名刺を作りました。

「私、そうじ屋を始めたの。よろしくね!」
名刺を携え、友達や知り合いのお宅を回りました。しかし、待っても待ってもなかなか依頼は入りません。

(三女の中学入学まであと1年しかない。大丈夫かな……)
もともとポジティブな私ですが、ふと不安な思いが心を支配しそうになります。そんなときは、神様に祈りました。

『成功の法』

(私は自分の仕事を通して、たくさんの人を笑顔にしたいのです。どうか道をお拓きください― )
お祈りをすると、不思議と心が温かくなり、力が湧いてくるのでした。そして、愛読書である大川総裁の『奇跡の法』の言葉を自分に言い聞かせるのです。

肯定的な自己像を持ち、『自分がもっと発展し、成功し、世の中の役に立ち、幸福になっていくことが、まわりの人も幸福にしていく』という映像を、常にしっかりと描きつづけることです。たとえ否定的な想念に負けそうになっても、勇気を起こして、また肯定的な想念を発信しなければいけません。

(私は幸福の科学で、積極的で肯定的な思いで心を満たすことが、成功を引き寄せる秘訣だと学んでいるじゃない。不安になんかなっていられないわ)
気持ちを立て直し、10年後の自分が成功して豊かになっている姿をイメージしました。
そして、未来の成功している自分が、今の私を思い出したらどう感じるか考えたのです。

(きっと、「思い通りにいかない時期があったからこそ、それをバネにして成功できたんだ。ありがたい人生経験だったな」と感謝するはず。今、私は最高の時を生きているんだ― ) 

そう思うと、いま置かれている環境や周りの方々に対して、感謝の思いが湧きあがってきました。よく考えれば、ついこの間まで「普通の主婦」だった私がこうして仕事を始められるのも、たくさんの方々の応援があったからです。何より、神仏がどんなときも見守っていてくれていると感じていました。

(本当にありがたい。今は仕事がない分、時間はあるし、何か恩返しができないかしら― )
そう思って、私は今までよりいっそう心を込めて家族のためにごはんを作ったり、「忙しくてなかなか家が片付かない」と困っているママ友の家に行ってそうじを手伝ったり、病気がちな知り合いのおばさんを訪ねて話し相手になったりしました。

周りの方々への感謝を行動で現すと、ますます温かい気持ちになっていくようでした。

そうやって1カ月が過ぎたころです。知り合いのおばさんから、携帯に電話が入りました。
「そうじ屋をやってる私の友達が、仕事をやめるらしいの。お得意さんを引き継ついでくれる人を探してるみたいなんだけど、Nちゃん、どう?」

「いいんですか? もちろんやります!」
そのおばさんが紹介してくれたそうじ屋さんは、お得意先のマンション清掃の仕事を、スキットに回してくれる上、「経験なし」の私に、仕事のノウハウを一から丁寧に教えてくれるというのです。そしてさらに、今まで使ってきた清掃用具も引き渡してくれることになりました。

(ああ、これは神様が私に与えてくださったチャンスだ! 感謝の思いで頑張ろう)
 
夢のような本当の話に、私は、喜びで胸がいっぱいでした。 

お客さまを幸せにできるような仕事を

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マンション清掃の仕事は、上の階から順に床を掃き、汚れをきれいに拭くと教わったので、最初は教わったことをとにかくこなしていました。しかし、以前から大川総裁の本で「人々のニーズに応え、喜ばれる仕事をすることが大切」だと学んでいた私は、今のままでは「十分ではない」と感じるようになっていったのです。

もし自分がそのマンションの住人だったらどこに目がいくかを想像しながら建物を歩くと、汚れが気になる箇所がたくさん見つかりました。

(あ、ここも汚い。雑草も生えてる……私がここに住んでいたら、全部キレイにしてほしいって思うな……よし、やっちゃおう)

そうやって丁寧な仕事を心がけていました。するとマンション清掃を任せてくださった不動産屋さんが「スキットさんは、キレイに仕上げてくれるから他のマンションもお願いしていいかな?」と何件かの依頼をくれるようになったのです。スキットの評価はどんどん上がり、マンション以外にも、一戸建ての清掃など、たくさんの仕事をいただけるようになりました。

(たくさん依頼をいただけて、本当にありがたい。そうだ、中部正心館に行って、神様にお礼を伝えよう)

かねてから神様に祈りを捧げるために参拝に通っていた精舎の、中部正心館に行くことにしました。館内では、館長が温かく迎えてくれました。

「Yさんこんにちは。お仕事は順調ですか?」
「はい、おかげさまで」

そんな会話の流れで、館長は私に中部正心館で今度から開催される「真理経営者プロフェッショナルコース」研修の参加を勧めてくれたのです。その研修は、大川総裁の著書の『経営入門』『社長学入門』などの経営論シリーズを毎月、館長が解説してくださるという研修でした。

(大川総裁の経営の教えの要点が分かるなんて、すごい!)
私は大川総裁の説かれる成功の法則が大好きで、ずっと著書を読んできました。でも、経営者になるのは初めてなので、実際に仕事を発展させていけるかあまり自信がなかったのです。

「これは経営論、仕事論を深く学んで実践するチャンスだ」と思い、さっそく参加させていただくことにしたのです。

「『経営入門』では、組織がどのような方向に向かっていくのかを示す「錦の御旗」として、“経営理念”の大切さが説かれています。今回はこれについて参究しましょう」

(経営理念か……今まで何度か考えてはみたけど、しっくりこなかったんだよね。スキットは何を目指すべきなんだろう……)

私は、経営理念のヒントが、「私の人生の使命」のなかに隠されている気がして、まずは自分が一生を通して何を成したいのかを考えてみることにしました。すると、ある思いに気がついたのです。

(私は今までずっと、「人の喜ぶ顔が見たい、たくさんの人を幸せにしたい」という気持ちを持ち続けてきたな。それは、きっとこの先の人生も変わらない― )

そのとき、はっと、ひらめきました。
(そうだ! 経営理念は『一石一兆』にしよう)
「一石一兆」には、スキットが手がけた一つの仕事から、無限に幸せが連鎖していくような働きをしようという意味を込めました。

その後も私は、毎月必ず「真理経営者プロフェッショナルコース」研修を受けるようにしました。研修では毎月、経営のプランニングシートを作成します。そのプランを実践し、次回の研修で成果は出たかを振り返るのです。

もちろん、実践の過程でうまくいかないことも起きますが、それによって経営者としての自分の足らざるところや心の傾向性に気づき、反省してさらに成長していくことができるのです。

研修に参加するようになってから、スキットもさらに発展させることができました。私一人では仕事をこなせないくらいの依頼をいただくこともあり、数名のアルバイトを雇うまでになったのです。

私は主婦の希望になりたい

「うちの清掃は全部、スキットさんに頼みたい」と言って信頼してチャンスをくださるお客さんがいてくださるから私は働くことができます。「仕事があることは当たり前じゃない」のです。ですから私は、お客様の期待に、最高のパフォーマンスで応えたいと思っています。

起業から1年が過ぎたころには、パート時代の約10倍の収入を得ることができ、夫のお給料と合わせれば子供たちの学費も私たちの生活費も十分にまかなえるようになりました。でも、これで満足するのではなく、仕事内容をもっと改善して、世の中に貢献していきたいと思っています。

すべての人に笑顔と幸福を― 。これが私の夢です。子供たちもこの夢を応援してくれますし、「頑張るママ」を誇りに思ってくれているようで、嬉しく感じます。

日本は長いこと不況で、「うちはお金がない」と、頭を抱えている方は多いかもしれません。私だって少し前までは、通帳を見るのが怖くて出来なかったくらい“貧乏”で、“子沢山”の“普通の主婦”でした。でも、私は幸福の科学で学んだ、「心には力があり、“意志の力”で道は拓ける」という真理を確信していたので、運命を変えることができたのです。

明るい未来をつかめるかどうかは、自分の心の持ち方次第だと、身をもって体験しました。

「貧しさ」「病気」「人間関係」などで悩み、「自分はもうだめだ」と思いこんでいる方がいたら、「人間の可能性は無限大なんですよ」と伝えたいです。まずは、今の等身大の自分を受け入れて、心のキャンバスに素晴らしい未来を描いてみてください。

私は「主婦の希望」になりたいです。
そして、一人でも多くの方が成功され、幸せを手に入れることを心から願っています。

書籍で学ぶ「繁栄の法則」講義

『繁栄の法則(改版)』(大川隆法 著/幸福の科学出版)7 感謝の念
より抜粋したメッセージ

感謝の念

成功すればするほど、謙虚になっていき、感謝を感ずるような人間であれば、大成するのは間違いありません。成功すればするほど、「それだけ多くの人の助力を得たのだ。それだけ多くの守護・指導霊たちの力を得たのだ」という気持ちで、感謝して生きていくことです。

感謝がますます大きくなり、報恩というものを生み出していくようになれば、それは一つの成功であると思います。さらに、それは次なるステップにつながるのです。小さな商店の成功で終わるか、それが大きな事業として発展していくか、あるいは、小さな街の説法者で終わるか、大思想家となっていくか、違いはここにあるということです。

したがって、その段階において、他力というものを感じていく必要があります。成功を感ずれば感ずるほど、自分がどれほど恵まれているか、多くのものに守られているかということを感じなければいけません。ときおり、心静かに座し、ジーンと胸に来るような思いでもって、感謝しなければいけないのです。

能力がありながら成功しない人はたくさんいます。みなさんのなかにもいると思います。しかし、「これだけ能力、才能があるのに、なぜか認められない」という人は、おそらく、感謝の念が少ないはずです。これを考えてみてください。自分が現在あることに、どれだけ多くの人たちの力、おかげがあったかということを考えていただきたいのです。道が開けない理由は、感謝の念の不足にあるということを知らねばなりません。

この感謝の念というものが、実は天上界の協力を仰ぐための一つのキー(鍵)でもあるのです。これを忘れないことです。天上界の守護・指導霊たちは、もちろん、無所得のままに働いていますが、彼らも人格を持って生きているので、「ありがとう」「よくやってくれた」と言われると、うれしいのです。

ほんとうに、目に見えない人たちが協力しようとしているのです。目に見えない世界の住人である彼らは、お金も要らないし、食事も要らないのですが、「私たちが働いているということに気づいてくれると、うれしい」と思っています。それが彼らにとっての生きがいになるのです。

自分の生きがいだけではなく、多くの霊的存在にも生きがいを与える必要があります。その生きがいを与えるものが感謝の念であると思わなければいけないのです。

そして、あの世の霊も、地上の人を指導することによって、進化、発展していきます。そうした実績ができて、多くの感謝の念をもらうと、それだけ霊的な光が増していくのです。地上の人には、あの世の霊たちをも進化させる力があるということを忘れてはいけません。

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