優しい言葉かけで落ち着きを取り戻した長男【体験談】
ケンカ相手にケガをさせ、相手の家に親子であやまりに行くことが幾度もあったお母さんが、心を深く見つめ、息子の言動が自分の心の反映だと気づけた体験。
M.S.さん(山口県)・Hくん(8才)
月刊「ヘルメス・エンゼルズ」より転載・編集
暴力が直らない長男
「申し訳ありませんでした。今後、このようなことがないよう気をつけますので……」
ケンカをしてケガをさせてしまった相手のお宅に、長男と二人であやまりに行きました。いったい、これで何度目でしょうか。友だち同士のケンカで、いつも手を出してしまうのです。連絡帳には暴力に気をつけてほしいと書かれることがしばしば。親子であやまりに行ったのは一度や二度では済みません。
息子に聞くと「向こうから仕掛けてくるんだよ。ぼくからはやってないよ」と言うばかり。
3年生の時には、学校から「暴力が直らないので児童相談所へ相談に行ってみてください」と言われました。カウンセリングの結果、子どもには何も問題はなく、逆に「知能指数が高いので、あまりガミガミ言わずに上手に子育てしてあげてください」とのことでした。
「ガミガミをやめてください」
ところが、ある朝「お腹が痛い」と言い出し、その日から学校に行けなくなってしまったのです。病院では「体はどこも悪くないので精神的ストレスではないか」と言われ、ここでも「ガミガミ言ってはダメですよ」と医師から注意を受けたのです。
(私のせいでこうなっているの?)
以前にも同じ指摘を受けたことを思い出しました。
それでも、何かと慌ただしく日が経ち、自分の態度を振り返ることをしませんでした。
息子の不登校は、担任の協力もあり、2週間程で終わりました。私はその最中にも、自分がイライラするたびに、きつく叱りつけたり、頭ごなしに言い放ったりしていたのです。
同じ頃、友人と「幸福の科学」の精舎で開催されている「心の指針」研修を受けに行く機会がありました。心に響く大川隆法総裁のお言葉や、精妙な精舎の空間が心地よく、この時だけは久しく忘れていた穏やかな心を取り戻すことができたのです。
そして、自分の姿がよく見えるようになっていったのです。
息子に思いをはせると、いつも厳しく叱咤激励している自分の姿が、何度も浮かんできました。私は一つのことに必死になると、他のことが見えなくなってしまうところがあります。剣道をさせれば剣道のことで頭がいっぱいになり「試合に勝たせたい」「練習を怠けてほしくない」と、ついつい口やかましくなっていました。
息子への期待が大きく、自分の理想を押し付けていたことに気づきました。「剣道をやめたい」と言い出した時も、「今がんばらなくてどうするの! 途中で投げ出しちゃダメでしょ!」と、一方的にたたみかけ、息子の気持ちを聞こうともしなかったのです。
私の強い態度に言い返すこともできずに、黙って泣いていた息子の姿を思い浮かべると、「ぼくの良いところもちゃんと見て。ぼくのこと認めてほしいよ」という心の声が聞こえてくるようでした。
言葉を調えて、積極的にほめるように
いつしか、私にとって月に一度の「心の指針」研修は、気持ちをリセットできる大切な時間になっていきました。
時間に追われ、疲れがたまってくると、ついヒステリックになって、ひどい言葉が矢継ぎ早に出てしまう自分を見つめ、頭の片隅で(なんでこんなにひどいことを言ってるんだろう)と、情けない思いがありながらも、言い出すと止まらなくなってしまう自分自身のイヤな面も、逃げずに見つめていくことができるようになりました。
そんな中で、私は、やっと息子と本気で向かい合う決意ができたのです。
ずっとやめたがっていた剣道はやめさせ、積極的にほめていこうと努めました。ちょっとしたお手伝いでも、「助かるわー。頼りになるね」と、声をかけるようにしていったのです。
しばらく続けるうちに、息子はとても落ち着いてきました。「お風呂やっとくね」と、自分からはりきってお手伝いもしてくれるようになったのです。
そんな変化を見ると、母親として子供を温かく見守ることの大切さが改めて身にしみました。
今は、厳しく言うだけではなく、「子ども本来の力を信じ、母として包みこんであげる優しさもとても大切なことなんだ」と実感しています。子育てを通して、子供をどこまで信じてあげられるのかを日々問われているように思います。
オススメ書籍
『限りなく優しくあれ―愛の大河の中で―』(大川隆法 著)
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