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25 April

リストラ、借金、自殺未遂【体験談】(「心に寄り添う。」関連体験談)

やり直せない人生などない

209

バブル崩壊後の不況のさなかに職を失って人生が暗転し、一度は自殺を試みたAさん。その後、幸福の科学との出会いをきっかけに立ち直り、現在は「恩返し」の人生を歩んでいます。人生の逆境から立ち直れた要因は何だったのか。その足取りをたどります。
(Y.Aさん/東京都/男性/「ザ・伝道」第209号より転載・編集)
※こちらの記事は、映画「心に寄り添う。」に関連する体験談です。

体験談どん底で出会った「人生の師」

暗い海に向かって

CL[209]01_入水

ある1月の夕暮れ。私は、熱海の海岸に座り込み、缶ビールを片手に、一人、沈みゆく太陽を眺めていました。夜になり、周囲に人気がなくなると、暗い海に向かってゆっくりと歩みを進めていきました。
(もう、いいや。少し疲れた……)
冬の海の冷たさが身体を刺すように感じられましたが、歩みは止まらず、いつしか海水は膝の高さに達していました。

転落の始まり

「君なら独身だし、まだ若いし、どこに行っても大丈夫だから」
勤続11年目の夏、勤めていた鉄道用計器メーカーの上司が、突然そう切り出してきました。私は、即座にはその意味を理解できず、何度か真意を問いただすと、上司は「リストラの対象になったんだよ」と告げました。原因は、仕事への姿勢にあったようでした。私は自分の仕事を急いで終わらせては、幼少期から入れあげていた地域のお祭りの運営のため、会社をたびたび休んでいました。「自分の仕事はやっているから、文句はないはずだ」と思っていましたが、そんな姿勢は、バブル崩壊後に業績が低迷していた会社からは、苦々しく思われていたようでした。また、就職後に覚えたパチンコにのめり込んで借金を重ね、月末になると金策で頭が一杯になっていたことも、仕事への集中力を削いでいたのかもしれません。いずれにせよ、ショックのあまり、家族にはしばらく切り出すことができませんでした。

日々すり減る自分の「価値」

リストラの件はやがて家族の知るところとなり、私も次の職を探し始めました。とはいえ不況の折、仕事は見つかりません。見かねた父が自分の勤める工務店に口を利いてくれ、私はそこで働くことになりました。しかし約3年後、作業中の事故でヘルニアを患い、その職場からも離れることに。再び職安通いの日々が始まり、そのうちに中学校時代の先輩が経営する警備会社に転がり込みました。しかし、仕事は少なく、ほどなくして給料が遅配気味になりました。ときおり配置される工事現場の警備では、歩行者や工事関係者から罵声を浴びせかけられたり、タバコや空き缶を投げつけられたりします。やすりにかけられているかのように、自分の「価値」がすり減っていく毎日。みじめな気持ちを紛らわすかのように、パチンコ通いの頻度が増え、借金も500万円近くまで膨らんでいました。その年の暮れ、人手不足だった同業他社への転職話が来たことと、給料の支払いが完全に止まってアパートから追い出され、実家に戻ったことを契機に、逃げるようにその会社を辞めました。

「このまま行けば、楽になれる」

戻った実家で目にしたのは、共にガンを患って入退院を繰り返して衰弱し、経済的にも困窮する両親の姿でした。次第に私は、「自分がいなくなれば、せめて親の家計だけでも楽になるかもしれない」という考えに心をとらわれるようになりました。そして、1月。私は、誰にも告げずに家を抜け出してフラリと電車に乗り込み、熱海の海に歩みを進めたのです。
(このまま行けば、楽になれる……)
しかし、不意に、生まれたばかりの甥や姪の顔が浮かんだことで我に返り、とたんに震えが来た身体をさすりながら海岸まで戻りました。岸に上がると、目の前に旅館の公用車が止まっていました。鍵は付いたままで、施錠もされていません。
(温まるために、ちょっと失敬しよう)
ドアを開けてエンジンをかけてエアコンをつけ、あてどなく東に向かって走り出しました。しかし、ガソリンはすぐに底をつき、立ち往生。車を捨てて歩き、東京の町田という街の駅前に着いたときでした。海水に浸かった状態から数日を経て異臭を放ち、服装もボロボロだった私に、あわれみの視線が注がれます。
(お願いだから、そんな目で見ないでくれ……。もう無理だ!)
私は、近くにある交番に飛び込んで自首。窃盗の罪で逮捕され、留置所に入ることになったのです。

どん底で芽生えた決意

CL[209]02_留置所

(なぜ俺は、石ころみたいな扱いを受けなきゃいけなくなった? 一体どこで道を間違えた? そもそも、あのリストラさえなければ……)
暗く冷たい留置所で、私は自問しました。当時の私にとって、世間とはあまりに冷たく無慈悲なもののように感じられていました。「どうせ仕事もクビに決まっているし、親からも勘当されるに違いない」と捨て鉢な気持ちを抱えながら、2カ月後の昼下がり、私は刑期を終え、「塀の外」に出てきました。すると――。春の日差しの下、病気で弱っているはずの両親が立っていたのです。
「ま、レンタカー代だ」
父が口にしたのは、たった一言のみ。母も、「お前の会社の社長さん、『行くあてがなければ、続けて働いてくれればありがたいです』っておっしゃってるよ」とだけ言いました。
(父も母も、言いたいことはたくさんあるだろうに。社長にしたって、勝手に仕事に穴を開けたので、普通なら解雇が当然なのに。みんな、こんな俺を待っててくれた!)
私は、思わずその場で崩れ落ちました。人生、やり直してみせる――! 熱いものが、腹の奥底から込み上げてくるのを感じていました。

生涯の師を探し求めて

出所以降、私は、図書館に通って本を読みあさり、生涯を通して教えを請うべき人、「貴人(きじん)」を探し求めていきました。自己啓発、お金の知識、いろいろ手を伸ばしましたが、どこか軽薄な感じや利己的な感じがして、なかなかしっくりきません。そんな折、職場の同僚から幸福の科学の行事に誘われました。
(自分を変えたいとは思っているし、入る、入らないは別にして、一度話を聞いてみよう)
近くで開催された大川総裁の法話の上映会に参加したのです。終了後、信者の人たちとお茶をしていたとき、「あなたの人生のヒントになるかもしれない映画があるので、私たちの支部まで来られませんか?」と言われました。興味をそそられ、向かった幸福の科学の支部で観たのは、映画「太陽の法」※でした。2時間後、私は号泣していました。
「神は、あの太陽のように、決して休むことなく愛を与え続け、何も見返りを求めることがない。神の子である人間もまた、あの太陽のように愛を与え続けて生きていくことだ」
映画のなかで語られていた、「見返りを求めずに与え続ける、無償の愛」という考え。それは、「真人間」に変わろうともがいていた自分にとっての、人生の道標のように感じられました。必ず会えると信じてきた「貴人」の教えが、もしかしたら、ここにあるのかもしれない、そんな思いで、約1カ月後、私は三帰誓願※しました。

※映画「太陽の法」:大川隆法総裁の書籍『太陽の法』を原作とする、幸福の科学のアニメーション映画。2000年に全国で公開された。
※三帰誓願:仏・法・僧の「三宝」に帰依して、修行を続けることを誓うこと。

過去の自分との対決

(でも、知り合いに「自分が幸福の科学の信者だ」と知られるのも嫌だし、できる範囲で、「愛」を与えていけばいいだろう)
そう思った私は、誰に会わずともできる布教誌配布のボランティアや、大川総裁の書籍を刑務所に郵送で献本する活動を始めました。しかし、長年染み付いた自分の悪癖は、一朝一夕に断つことができませんでした。父が亡くなって精神的な後ろ盾がなくなると、「自分を守ってくれる人がもういない」と、パチンコ店に駆け込む日が増え、借金額も徐々に大きくなってきました。
(なぜ俺は、まっとうに生きられないんだろう。このままでは、また元に戻ってしまう)
自分を過去に引き戻す、重力のような力を感じていました。
「どうしても弱い心が治りません。でも、本気で変わりたいんです!」
恥をしのんで、私は幸福の科学の講師に打ち明けました。すると、大川総裁の書籍『不動心』を勧められました。
「今までおつらかったでしょうね。でも、幸福の科学の教えには、人生の逆境に立ち向かう心構えも説かれているんですよ」
「これが最後のチャンスかもしれない」と感じた私は、時間を見つけては、その本を何度も読み返しました。30回目を読み終えたときだったでしょうか。ある一節が、急に、自分の心に迫ってきました。
「『立ち向かう人の心は鏡なり』という言葉があるように、自分の心が変わっていけば、相手も自然に変わっていくのです」
(自分の心に、すべての原因があるということか? とすれば、自分のなかにある「原因」とは、何だったんだろう)
その答えを求め、私は、パチンコ店のある場所をできるだけ迂回するなどして賭けごとを控え、お金を貯めては精舎に行き、研修への参加を重ねていきました。

思い浮かんだ「愛」と「恩」

CL[209]03_泣く男性

転機は、「八正道」をテーマにした研修を受けたときに訪れました。1泊2日の日程で、自分の歩みを静かに振り返っていくうちに、不意に、いくつかの場面が胸に浮かんできました。それは、高校卒業後に勤めた鉄道関係の会社での記憶の断片でした。
「君は字がキレイだから、今回はリストラの対象から外そう。これからは、心を入れ替えてやってほしい。期待してるよ」
思い返せば、リストラの1年ほど前にも、私は人員整理の候補になっていたところを、社長から直々に救われていました。「お前はもっと、人の話を聞く耳を持たないと、伸びんぞ」と、会社の同僚たちも、仕事より地域のお祭りの運営を優先する私を心配し、部署の垣根を越えて、忠告してくれていました。私に解雇を通知した上司も、「彼がクビになるのは、おかしい!」と、裏では抗議を続けてくれていました。考えてみれば、リストラを回避するのに、字のきれいさなど何の理由にもなりません。それでも社長は、自分にチャンスをくれました。同僚たちも、自分自身がリストラ対象者になるかもしれない不安のなか、私にロープを投げてくれていました。また、上司も、上にたてつけば、自らの身にも危険が及ぶ可能性があったにも関わらず、それでも私を守ってくれようとしていました。そんな人たちの恩を、私はこれまで忘れ、逆に恨んですらいたのです。
(これだけの人から私はこれまで救いの手を差し伸べられていて、それを自分で振りほどいたのに。本当に俺は、バカ野郎だ……!)
「恩知らず」の一語が胸に迫り、両手が自然と胸の前で合わさります。頬を伝った涙は、止まることがありませんでした。
主エル・カンターレ※、恩知らずだった私に、「愛」を思い出させてくれて、本当にありがとうございました! そして、本当に申し訳ありませんでした)
研修の帰り道に見上げた青空は、ひどく鮮やかに見えました。

※エル・カンターレ:幸福の科学の信仰の対象であり、イエスが父と呼び、ムハンマドがアッラーと呼んだ存在。

恩返しがしたい

それ以降、人生のやり直しを期した、私の毎日がスタートしました。
「私は、かつて、自分で死のうとした経験がありますので、お気持ちは分かるつもりです。もし、あなたが苦しく、つらい思いを抱えているなら、ぜひ、私にお気持ちを聞かせてください」
かつては、「宗教に入ったことがばれてしまう」と避けていた「自殺を減らそうキャンペーン」。今では、その活動に努めて参加し、地元の街頭で啓発活動を続けています。その途中、ふとした折に道行く人からいただく「ありがとう」の一言が、私の背中を後押ししてくれます。大川総裁の書籍を刑務所に郵送する際に添える、自分の体験を明かした手紙を書く際にも、自然と熱がこもります。
(世間、そして神仏からいただいたものを、少しずつでも世の中に恩返しする。これが、自分の生きる道だ!)
こういった決意が、少々のことで動じない、自分の「重し」になっていったのでしょうか。かつてはストレスを感じるとすぐにパチンコに走っていましたが、今は一切やらず、膨らんだ借金もなくなりました。最近では職場でも、「警備員という今の自分の立場で、何が改善できるか」を考えられる強さが生まれ、「警備員として誇りを持てる仕事をしよう」という気概が芽生えています。気づけば、今年で勤続15年目。これまでの職歴のなかで、最も長く勤めていることになります。

「やり直せない人生など、絶対にない!」

リストラ、借金、自殺未遂と、かつて私は、ある意味でのどん底を経験しました。ですがそんな私でも、今は、自分を信じ、他人に感謝し、神仏を信じて、心穏やかに生きています。自分の半生からお伝えできるものがあるとすれば、「やり直せない人生など、絶対にない」ということです。生きていれば、つらいこと、苦しいこと、みじめになるようなことは、たくさんあります。その一方で、私たちに愛を与えてくれる人、心配してくれる人、寄り添ってくれる人も、必ずいるはずです。過去の苦しみを握りしめて生きるか。それとも、人さまからの恩を見つけ、感謝を捧げられるか。どちらを選ぶかで、人生の幸・不幸も変わってくるのでしょう。それを教えてくれたのは、幸福の科学、主エル・カンターレでした。
(大川隆法総裁こそ、自分にとっての「貴人」だったんだ)
信者になって以来、そう確信する日々です。立ち直らせてもらった人生。人にはない体験をしたからこそ、分かる気持ちもあると思います。一人でも多くの方の心に刺さるトゲや傷を癒してさしあげたい。今後はそんな生涯を歩み、恩返しとさせていただければと思っています。

書籍で学ぶ与えられているもののなかで最善の生き方をしよう

『アイム・ファイン』(大川隆法 著/幸福の科学出版)より抜粋したメッセージ

「そのあなた」を、仏は肯定している

『アイム・ファイン』(大川隆法著/幸福の科学出版)

男女の性別、年齢、頭のよし悪し、体の大小など、他人との違いは、いろいろあるでしょう。性格にも、外向的な性格と内気な性格がありますし、仕事でも、向き不向きなど、いろいろあるでしょう。しかし、それであってこその個性です。
他の人々の存在を肯定するなら、自分自身の存在をも肯定しなさい。「そのあなたでよいのですよ」と言って、仏は許しているのです。「そのあなたでよいのです。他の人でなくてよいのです。その名前を持ったあなたでよいのです」と、今世の魂修行を許可されたのですから、あなたは、あなたの生き方をしていけばよいのです。
いま与えられているもののなかで、自分として最善の生き方をしていくことです。

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